脱灰と再石灰化
歯の表面では「脱灰(だっかい)」と「再石灰化」が繰り返されています。再石灰化という言葉はCMで聞いたことがあるかもしれませんが、脱灰は聞き馴染みが無い方も多いかもしれませんね。
今回は脱灰と再石灰化についてご紹介します。
脱灰とは
食べたり飲んだりすることで、ミュータンス菌などの虫歯菌が食物に含まれる糖を餌に酸を作り出し、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出てしまうことを脱灰と言います。脱灰は虫歯の原因となります。
再石灰化とは
唾液が酸を中和し、脱灰により溶かされた歯の表面を元の状態に修復する働きを再石灰化と言います。
ごく初期の虫歯であれば、再石灰化で修復することができます。
脱灰と再石灰化のバランスが大切
脱灰と再石灰化のバランスが保たれている間は、虫歯になりにくい状態です。しかし、バランスが崩れて脱灰が優位になり、再石灰化が間に合わなくなってしまうと虫歯になってしまいます。
このバランスを保ち、虫歯にならないためには再石灰化を促すための手助けをしてあげることが大切です。
再石灰化を促すための取り組み
プラークコントロールを行う
歯科医院で行う定期健診や予防処置などの「プロフェッショナルケア」と、歯科医院でのアドバイスに基づく予防方法をご自宅で実践する「ホームケア」を続け、プラーク(歯垢)をコントロールすることでお口の環境を整えておくことが再石灰化を促し、虫歯や歯周病予防に繋がります。
食生活を見直す
食べる時間や量を決めておくことを心がけましょう。食べ物やジュースなどが頻繁に口の中に入っているだらだら食べは、再石灰化で歯を修復するタイミングがなくなってしまいます。
フッ素やキシリトールを取り入れる
フッ素は、再石灰化を助けて歯質を強化します。キシリトールは、虫歯の原因にならない天然の甘味料で、再石灰化を促すだけでなく、プラークを歯に付着しにくくする作用があります。フッ素入りの歯磨き剤や洗口液、キシリトールガムなどを日常的に取り入れて、歯の再石灰化をサポートしましょう。
唾液の分泌を増やす
歯の再石灰化には唾液の成分がとても大切。よく噛んで食べる、唾液腺マッサージをするなど唾液の分泌を促すことが再石灰化をに繋がります。
今回は脱灰と再石灰化についてご紹介しました。お口の中でどんなことが起こっているか知っていただき、正しい知識を身につけることも予防への第一歩だと思います。
当クリニックでは、予防のプロフェッショナルである歯科衛生士が、患者様の口腔内環境に合わせた予防処置を提供いたしておりますので、ご自身に合ったケア方法やどんな歯ブラシを使ったらいいかなど、わからないことがございましたらお気軽にご相談下さい。