2020年6月22日

歯ぐきの検査について

前回の「歯周病と全身の関わりについて」でも歯ぐきの検査について少し紹介しましたが、定期健診や初診のときに、はじめに「歯ぐきの検査しますね」と声をかけられた経験はありませんか︖

その「歯ぐきの検査」とはいったいどんな検査をしているのでしょうか。

また、歯ぐきの検査からどんなことがわかるのか、今回は歯ぐきの検査についてご紹介します。

歯ぐきの検査で使用する道具

●プローブ
歯ぐきの検査では、先が細く目盛りが付いているプローブと呼ばれる器具を使用します。これを歯と歯ぐきのすき間に差し込み、目盛りを見ながら、すき間の深さを測ります。

プローブ

●歯周組織検査表
歯周組織検査表の用紙は、医院によってさまざまな形式のものがありますが、下記の様な形式が一般的です。歯と歯ぐきのすき間の深さ、出血の有無、歯のぐらつきなど検査した内容を書き込みます。

歯周組織検査表

 

歯ぐきの検査の方法

① 歯と歯ぐきのすき間の入り口から底までの長さをプローブで図ります。ちょっとチクチクすることがあります。深さが2mm以内が健康な状態です。

歯茎の検査

 

② ①を1本の歯に対し、4または6か所検査します。

歯茎の検査箇所

 

③ピンセットで歯のぐらつきがないかを調べます。

歯のぐらつきの検査

 

この検査の時、歯と歯ぐきのすき間の深さだけでなく、歯の磨き残しや歯石、炎症や出血の有無などもいっしょに確認しています。さらに、患者さんからヒアリングをして、特に気になった部分があれば細かく検査します。

歯ぐきの検査結果からわかること

歯と歯ぐきのすき間の深さから以下の様な事がわかります。

  • 1~2mm程度︓歯ぐきは健康な状態です。
  • 2~3mm程度︓歯と歯ぐきの間にプラーク(歯垢)が溜まって、歯周炎が起こっています。
  • 3~5mm程度︓歯ぐきの炎症がひどくなり、歯周病菌が侵入して軽度の歯周病になっています。
  • 4~7mm︓歯ぐきの炎症がさらにひどくなり、歯がぐらつき始めます。出血や口臭の症状があらわれます。
  • 6mm以上︓歯を支えている骨が溶けて、歯がぐらぐらになります。歯周外科処置が必要ですが、それでも改善されない場合は抜歯しなければいけないこともあります。

これらの状態により、今後の処置や患者様ごとに合ったケアの方法をご説明します。
また、検査の記録を定期的に残すことによって、どれぐらい改善されたか、維持できているかを確認することができ、今後のケアや治療に役立てることができます。
歯科定期健診では、今回ご紹介した歯ぐきの検査だけでなく、むし歯や修復物のチェック、PMTC、ブラッシング指導などを行います。ご自身のお口の状態を詳しく知ることで、予防歯科への意識も高まります。

予防歯科」ページでは、予防の大切さや当クリニックの予防処置について詳しくご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてください。

参考
テーマパーク8020 https://www.jda.o.jrp/park/trouble/index_05.html
公益財団法人 ライオン歯科衛生研究所 https://www.lion-dent-health.o.jrp/labo/article/trouble/02.htm

Leave a Comment

CAPTCHA